ママは小児科医
小学生の2人の男の子のママをしながら、働く小児科医です。 育児のこと仕事のことなどお話していけたらいいな。
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PVD(ワクチンで防げる病気)とは...
こんにちは。
久しぶりのブログの更新です。

先日、開業医の先生向けに「小児のよく見る疾患のプライマリーケア」という講演をさせていただきました。
その中で、一番反響が高かったのが、VPD(vaccine Preventable Disease:ワクチンで防げる病気)についてでした。
Twitterでそちらについてつぶやかさせていただいたのですが、メッセージを多くいただきましたので、
少しブログにまとめていきたいなぁと思います。

VPDって御存じですか??
「ワクチンで防ぐことのできる病気」のことです。
言葉のままですが、ワクチンを接種することで、罹ることを防げたり、罹っても重症になることができる病気のことです。
つまり、ワクチンをつくってまで、その病気を防ぎたいという思いのある病気のことなんです。

   http://www.know-vpd.jp/

日本では、ワクチンについては、副作用の心配ばかり大きくとらえられて、実際の効果について、論じられることがあまりないように思います。
たとえば、2007年にある製薬会社さんが、ワクチンに対する意識調査を行いましたが、
その中で、「ワクチンを接種することに抵抗を感じますか?」という質問に、Yesが30.1%いました。つまり、ワクチン自体やその有効性については認知されているにもかかわらず、ワクチンによる副作用やワクチン製剤に対する理解の不足によると思われる過剰な抵抗感が存在しているということが明らかになったのです。

日本人は、人からうつされた病気については寛大ですが、予防接種をうって、熱が出るなどの副作用が起こるとそれに対しては非常に敏感に反応します。
たとえば、予防接種の翌日、発熱がみられたお子さんを連れていらっしゃったお母様の実際の反応ですが、のどが赤いため、「風邪でしょう」とお話をすると安心され、「予防接種の副作用だと思います。熱がすぐに下がるようであれば心配ありませんよ」とお話をするとすごく心配される、ということが実際あります。

ワクチンには、当然のことなのですが、有効な作用のほかに、例えば腫れるとか、熱が出るなどの反応がみられます。これは、きちんとした免疫が成立するためにどうしても避けられないプロセスなのです。ワクチンで熱が出ることよりも病気そのものにかかったときのほうがより大変であるという、正確な認識が日本人にも定着してくれればと願ってやみません。

欧米では、親御さんたちが病気について非常よく理解しているそうです。また州によっては、予防接種をきちんとしていなければ、保育園に入れないというところもあるそうです。

実際、日本の調査で、保育園入園後の乳児の保菌状況(つまり、そのばい菌にかかったかということ)を調べたものがあります。
0歳児が入園から1~2か月で88.9%の子がインフルエンザ菌、肺炎球菌の両方を保菌しているそうです。

保育園の入園後


インフルエンザ菌、肺炎球菌は、肺炎や中耳炎、髄膜炎など時には命にかかわる病気を起こす細菌です。集団生活の中でこの細菌に感染して、髄膜炎を起こさなかったというのは、あくまでも、ラッキーだったにすぎないのです。

うちの子が小さい時には、インフルエンザ菌ワクチンも肺炎球菌ワクチンもありませんでしたが、うちの子が髄膜炎にならなかったのは、あくまでもラッキーだったからで、髄膜炎にかかっていても、おかしくはなかったのです。

細菌性髄膜炎は、いまだにうちの病院でも年に2-3人程度罹患します。発熱、痙攣で受診し、髄腋検査をしたときに、通常であれば透明な液体が出てくるはずなのに、白い液体が出てきたときの悲壮感、小児科医であれば誰しも経験していると思います。
欧米では、インフルエンザ菌ワクチン、肺炎球菌ワクチンを定期接種にすることで、髄膜炎が非常に減少しました。日本でも、欧米なみにインフルエンザ菌ワクチン、肺炎球菌ワクチンを接種することができれば、重症細菌感染症のリスクは1/10程度まで軽減されるのではないかと思っています。

現在小児科医の中で、Hibワクチンや肺炎球菌ワクチン、水痘ワクチン、ムンプスワクチンなどの任意ワクチンについて、定期接種となるように、行政補助を受けられるようにと活動をしていますが、すぐには難しいかもしれません。

VPD(ワクチンで防げる病気)について理解していただいて、ひとりでも多くワクチン接種が可能になればうれしいと思います。最後まで読んでくださって、ありがとうございます。





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